近所のよくお喋りするおじいちゃんもこの薔薇のファンで、一日に3~4回、散歩がてらにうちの薔薇を見に来る。嬉し気にバラを触りまくるのがちょっと嫌なんだけれど(だってあんまり無造作に触るから花弁が傷つきそうなんだもん)、冥途の土産の思い出にでもなればいっかー・・・と思って黙って見ている。
この少女のような初々しさといったら・・・ (゜ー,゜*)ジュル.
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ごっつい名前も、花もちの良い丈夫さも、棘の無いのも、元気な色合いも大好きな薔薇。そこそこ大輪なんだけれどコンパクトな鉢植えサイズのままなのも良い。
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先日、お酒と味醂とゴマ油と料理用白ワインを買いに、車で10分弱の距離にある馴染みの酒屋さんに行ってきた。頼めば配達もしてくれるんだろうけれど、店頭の商品をあれこれ見ながらお喋りするのがいつも楽しみなのだ。
店主のおっちゃんがひとりで切り盛りしているお店なので、いつも立ち寄る時には電話して「今いますか~?」って問い合わせる。
今回は「あ、今、配達中でお客さんのとこだから店に戻るのは30分後位になりまーす」と言われ、「私も今出先だから到着は同じくらいになりまーす」と示し合わせた。
・・・と、久しぶりに見た店主のおっちゃんの顔がほんのり赤い。
「顔、日焼けですか?」
「あー、日曜日ゴルフ行ってきたからね」
「(・・・・・)」
なんか変だな、と顔をじーっと見ていたら
「さっき接客してて日本酒を相伴しちゃってね(笑)いやー、それがうまくてさー(笑)」
さっきの“配達中”ってのは、私の聞き間違いだったに違いない。
そういうことにしておこう。
さて、いつも購入するお気に入りの黒ごま油。例の産地偽装でニュースになっていたカホクの胡麻油。
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うちでいつも購入していたコレは産地偽装されていなかった模様・・・。
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「ニュースになっていましたねー」と私が言うと、おっちゃんはそれまで酔っ払ってニコニコしていたのが急に真面目な顔になった。
「販売中止になったら困るな、って思っていたんですよ」
「う~ん、いや~、うちは店頭からは外さなかったんだけどね、ネットでうち販売目録見たのか、匿名でうちのお客さんでもない人から抗議の電話があったりね、したんだよ」
「?」
「非難というか、教育的指導、というか」
「何のために?」
「わかんねーよ(苦笑)。私はこういうことをあなたにわざわざ教えてあげるのよ的な。」
「(驚)」
「うちも結構こういう自然な感じのこだわりの商品を並べているからね、今までもこういう(偽装)ことって3~4回あったかなー。その都度相応の対応してきたけれどね、店頭から外すとか、でも今回はね・・・。」
「(*・ω・)(*-ω-)うんうん」
「このカホクって会社、小さい会社でね、おやじも知ってるけれど、普通の実直な人なんだよ。昔ながらの製法でずーっとやってきていてね。俺、見に行ったもん。・・・なんていうかなー、ボタンの掛け違い、があったとでもいうのかなー。魔が差したっていうか。何年か前にそういう(偽装)のラベルを貼っちゃったんだよね。今はもうやってないよ」
「そうなんですか・・・」
「政治家とかさ、もっと悪いことやってるヤツいっぱいいるじゃん。いくらそういうことしても地位やお金に守られて罪に問われない人って山ほどいて、でもこのおっちゃんって、その1回だけでさ、国からの指導入って色々大変だったと思うんだよね」
「私も色々記事調べましたけれど、何年も調べ上げられちゃうんですよね」
「そう、何年もさかのぼって調べられるんだよ。ものすごく大変なんだよ」
それと、ここには敢えて書かないけれど、カホクの社長の個人的な事情とかもチラッと教えて貰った。
「・・・だからといってね、偽装は許されることではないとわかっているよ。でもね、もういいじゃん、俺は許す、って決めたんだよ」
「(笑)私も許しますよ。だってここの胡麻油好きだもん。」
「ははは(笑)」
「人生長く生きていれば一度や二度の”ボタンの掛け違い”ってありますよね」
「一度や二度どころじゃないね、俺は」
「足だっていっぱい踏み外すし(笑)」
「俺なんて足踏み外しっぱなしだよ(笑)(笑)(笑)」
とおっちゃんは赤ら顔でケタケタ笑っていた。
長い人生、いくら間違えても足踏み外しても、大事なのは”今”。
鹿北(カホク)さん、今回の騒動にめげずに美味しい油を作り続けて下さい。
いちファンより
では。