病気の原因にこだわらない

　ほぼすべての療法は「原因を治すこと」を重要視します。
たとえば、胃潰瘍であれば「何らかの原因によって胃酸が過剰に出やすくなっているか、あるいは胃壁の防御機構が弱っている」ということで、現代医療では胃酸を抑制する薬を服用したり胃の粘膜の修復作用を促す薬用います。最近ではピロリ菌が大きな要因であることが判明しピロリ菌を除菌することもおこなわれます。
　漢方や中国医学であれば、気血の滞りが原因であるとか、水毒が原因であるとか、そのような判断をして必要な生薬を投与します。
　整体や手技療法では、原因となっている骨の歪みや筋肉の癒着といったものを手技によって解除し苦痛をやわらげるとともに、その遠因となった生活習慣を改善することを指導します。
　ところが、ホメオパシーでは「原因→結果」という考え方で治療をおこなうわけではありません。
何が原因で起こっているのであれ、「今、生じている症状にすべてが表れており、その症状がトータルとして表している状態に対して最も類似するレメディを与える」という方法だからです。
　ゆえに、不定愁訴などいろいろな病院で原因がわからないという病状であっても、必ず何からのレメディを選び出すことができますし、それによって対処することができるのです。
このように、自由度の高さと懐の大きさがホメオパシーの大きな特徴のひとつです。
もちろん、たとえばコーヒーの飲みすぎであるとか偏った生活習慣であるとか、そういう「治癒を阻害する要因（原因ではありません）」に対しては、ご本人にそれをお話ししご自身で変えていく指導をおこなったりはします。念のため。