Amazon studios製作のオリジナルアニメ
『アンダン ~時を超えるもの~』
(ネタばれありです)

 

 

アニメといっても“ロトスコープアニメーション”という特殊な方法(通常のアニメ作品とは違い、役者が実際に演じたものを後から加工するという方法)で製作されていて、
このようなアニメに見られるある種のリアリティって
「アニメに必要?」ってか、「ちょっとキモくない?」とか感じちゃったけれど、
それも含めて味のある作品で凄く堪能できました。(^^)v

 

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あらすじhttps://kaigaidramablog.com/etc/undone-01/より)

恋人と同棲し、保育園で働く28歳の主人公アルマは、毎日繰り返される単調な日々を過ごしていました。ところが交通事故に遭って以来、子どものころに死別した父ジェイコブの姿を見るようになります。ジェイコブは、アルマに時間を移動する能力があるといい、自分の死の真相を調べて過去を変えてほしいといいます。
アルマの時間は狂いはじめ、周囲の人々が同じ行動を繰り返したり、自分が突然知らない場所に現れたりするようになります。アルマは混乱しますが、次第に時間をコントロールできるようになります。
そして家族や恋人がアルマの奇異な言動を心配する中、ついに父ジェイコブの死の真相を突き止めます。

 

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何が面白かったかって、
本人はタイムスリップやらなんやらして時空を操り(!)、
精神的領域(!)で亡き父親と会話しながら父親の死の真相を突き止めるのだけれど、
周囲の家族、恋人、仕事仲間は彼女を “統合失調症” だとして、
医者にかかれだの、薬を飲めだの、とにかく彼らなりに凄く心配する。
観る側はもちろん主人公目線でストーリーを追いながら「事件の真相は如何に?」ってドキドキ感を味わいながらも、
ここかしこに「えっ?ひょっとしてこのコ、マジにヤバいんじゃない?」的なニュアンスが時折漂い、
主人公に対して、なんかこう生温か―い目線が生じてくるんだよね(笑)

 

(そういえば有名なヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」も、ホラーの体裁をとっているけれど「実は主人公がイカれていただけ?」ってな話だったなー。そもそもこの作家ってこういうトリックの作品をいくつも書いている人)

 

そんで、
「愛する君のためだったら」と(躊躇しながらも)事件究明に助力を惜しまない彼女の一番の理解者である恋人でさえも、
(話の展開中「えっ?本当に見えるの?」って納得しかけるとこもあるのに)、
結局は「正直に言うよ、君は病気だ、お父さんとは話せない、死んだんだから」と優しく説得しちゃう始末で、
「あー、やっぱりこういうのって理解しきれないよね~」と彼と彼女のどちらにも同情しちゃったり・・・(涙)

 

で、この主人公のアルマって女性が、もろSep.感が漂う女性でこれまたウケた(笑)
祖先を呼びだす?祖先とつながる?為にひたすら踊り続けたりもするし。
彼女はジャーマンの素質があるのは確実なんだが、こういう特殊能力って本当に難しい。。。

 

・・・と、
このストーリーを “統合失調症” もしくは “シャーマン” と呼ばれる人々の話(どちらも似たようなもんだ、という私流の見解)として堪能する見方と、
父親の魂の救済(こう書くと胡散臭いが)が描かれているという見方もありなんじゃないかと。
もちろん時空の解釈なんかも面白いが、そんなにあちこちいじくったら色々支障が出てくるでしょうに、ってこちらは心配しちゃうんだがそれはあんまりこのアニメの制作チームは気にしていない・・・っていうか、そのあたりが彼女はやっぱり病気?ってニュアンスを匂わしている可能性もある。

 

 

そもそもは、主人公のアルマが大事故をきっかけに死んだ父親とコンタクトがとれるようになったのが話の発端。
父親はこう彼女に言う。

 

お前は生と死の両方の世界に足を突っ込み、
私と精神的領域で話をしている。
あの事故が時世の感覚を揺り動かし非線形的な事柄まで見えるようになった・・・・

・・・・・・・・・・

特殊な能力を持つ者は
多くのものが見え知覚も優れている
おばあちゃんとお前だ
先住民には幻が見え
声が聞こえる者がいる
シャーマンだよ
だが西洋文化は彼らを追放した
だから慎重にお前の能力を開発する

お前の能力が必要で私が事故を引き起こした
目覚めて欲しかった
お前しか私を救えない

ハロウィンの夜
私は殺されたんだ
お前の真実を見る力があれば
過去を変えられる

助けが必要だ
見捨てないでくれ

 

 

 

あらら、お父さんはいわゆる『浮かばれない霊』ってやつなのねー。
で、自分を助けてくれそうな能力のありそうな子ども(子孫)に助けを求めてきたんだー、
う~ん、これはマヤズム治療ともいえるわよねー、
ヒーラーもよくやってんじゃん、先祖系や前世系の癒しとかカルマ(業)の解消だのって、
うんうん、あるある、よくある話じゃん♪、と非常に楽しくなってきた。

 

 

で、話は端折って、
主人公が時空を操りながら事件の真相に近づいていくにつれ、
「自分は殺されたんだ!」と訴えていた父親の言い分の雲行きが怪しくなってくる。
どういうことかというと、
大学の教授であった彼は自分の研究の為に古代の遺跡を盗んだり、
自分の幼い娘を実験台にしたりと非人道的なことをとをやらかしていたのが事件直前にバレて、
それらを妻や研究の助手を務めていた女子学生(ガールフレンド)から非難されたんだけど、
なんと、父親はそれら一連の “自分にとって都合の悪い出来事” を、

すっかり忘れていたのだった

というどんでん返しが起こって(笑)、
で、これらのこと&その後の展開の事件の真相をスルスルと思い出しバツが悪くなった父親は、

私はもうここにはいられない

とさっさと(霊界に?)逃げようとして体が半分消えかかる(←観ていてここで爆笑)んだけど、

でも娘である主人公は「ちょっと待ちなさいよ、あんた」的に

ここに残って!

と父親の“逃げ”を許さない。

 

で、父娘一緒に崖から車ごと落ちた当時の父親が死んだ事故を追体験する。
そして事件の真相(研究にも家庭にも若いコとの不倫にも絶望してやけくそになったお父さんの女子学生を道連れにした自殺だった)がドラマの視聴者共々に顕かになり、

私は善人じゃなかった
救う価値がない
こんな自分を許せない

と父親は大反省するのだった・・・。

 

 

ここで、これがスピ系の物語なら

よっしゃー、“魂の救済”いっちょ完了ー\ ( * ⌒ ▽ ⌒ * ) /

めでたしめでたし、これでパパさんもやっと成仏できるね♪よかったね♪とまとめていくとこだが、
そこがこのドラマの面白いところで、

過去に戻ってやりなおそう
必ず方法がある
今のパパなら過去を変えられる

と、娘は父親を説得し始めて、
過ちのあった過去を訂正し、時間軸を再編成し、父親と現実の世界で会う約束をする。

で、一足先に現実の世界に戻った娘は約束の地のメキシコの遺跡の前で父親の登場を待つのだが、
(当たり前だが)彼は来ない。
姉を追ってきた妹への言葉がなんだか泣けてくる。

今夜ここにパパは戻ってくる
新しい世界ではパパは死なない
私たちは欠陥品じゃなくなる
今の人生で失敗したことは
消えてなくなる

こんな人生むなしい
何か起きるはずなんだ

主人公は長い間、社会の中で虚しさを感じながらの日々を送っていたし、
まともな人生を歩んでいたはずの妹も、二度の婚前浮気を結婚式直後の新郎に暴露し、そして全てをご破算にしてしまう。

妹は涙ぐみながらもバッグから(統合失調症の)薬を取り出し、

私が支えになる ママも
家に帰ろうよ

と姉に促す。

 

 

これはこれで良い結末だよねー、とホロリ状態で話が終わると思いきや、
立ち去る前に遺跡の向こうに光が見え「あれはひょっとして・・・?」と、
この話はどこ行くの~?な展開で終了(笑)

決して複雑な話ではなくて、シンプルなんだけど一筋縄でいかないところがね、良かった。

 

 

 

そうそう、統合失調症とスピ系ヒーラーの話を書くんだった。
ストーリーの中で、主人公の恋人とのやりとり。

大丈夫 使命を果たしたから何もかもうまくいく

と、彼氏を安心させようとするも、

聞いてくれ
処方箋を見て統合失調症について調べた
君の症状に当てはまる
“幻聴が聴こえ
特別な力があると信じ
使命を果たそうとする“

となんとか彼女を治療させたいと願う彼。

 

 

あー、いるいるー、いるんだよねー、こういう人。

 

 

私はこの業界に入るまで知らなかったんだけど、
見えたり感じたりする人って多くて、
(でもそれが使い物になるかならないか、となるとかなりの人は後者になるんだが)、
「神があーだこーだと言ってて、どーのこーのしろって言ってる」って言いだす人も多いんです。
夫曰く「それが本当の“神”かどうかは知らないよ」とニヤニヤしていて、
確かに“神”=“Great Spirit”だとすると、
Greatじゃない中ぐらいのSpiritや、あんまりよろしくないSpiritも居るに違いなくて
(これが一神教の見方だと神はあくまでも一人だからそっちの神は違うとか言い出して争いになるのかな?)、
だから、本当にセンスのある霊能者ってものすごーく高いレベルと修業を経てきている苦労人が多い。

で、うじーも「神がこう言っていた」みたいな言い方をする時もあって、
彼のは多分だいたい本当(笑)なんでそう思うのかというとそれは私の勘です(笑)
近場の有名なヒーラーに中屋高明氏もいるが、
彼は神や霊がどうのこうのではなくって、エネルギーや気として捉えて何かやってる。結構力業だなぁと感じることも多い。うじーはもっと(相手を)なだめる感じ。
すみません、うまく説明できなくって。
でもヒーラーそれぞれ得意なやり方でそれらをいじくっているんだろう。

あるクライアントが東北の有名な霊能者を慕っていて、
ホメオパシーのレメディを送るとそのクライアントはまずその霊能者に御伺いをたてる。
ちゃんとそれぞれのレメディの違いや、
LMポーテンシーの7と8の違いもわかるので本当にスゲーって思う。
あっ、そういえば中屋氏もポーテンシーの順にレメディを並べてたし、うじーもそんなことおちゃのこさいさい風なので、
スピ系ヒーラーにしたらそれって基本中の基本レベルなのかもしれない。

 

で、このアニメドラマの主人公がやっていた『(死んだ父親の)魂の救済』って、
多分うじーも“諸々の霊的存在へのアプロ―チ”として普通にやっていることなんだろうなぁ、
と勝手に納得していた。あの人だったらいろんな霊が「なんとかしてくれー」ってすがってくるだろうしね。

だから私にとって “統合失調症” と “シャーマン” の線引きはあくまでも能力如何ってこと。
そういうセンスと能力がなかった統合失調症の若い女性クライアントをみたこともあったけれど、
私はその時には全くの妄想として彼女の話を受け止めていて、
でも彼女に高いセンスと能力があったなら本当に巫女になれたのかなぁ、とも思う。
(ちゃんとレメディでこちらの世界に戻ってきてくれた。しかも200cで(驚))

 

 

ということで、うじーは “統合失調症” でもあるし “シャーマン” でもある。と結論。

 

(おとーに「ちゃんと統合できていればシャーマンなんでしょ?統合を失っているのが統合失調症なんだから」と言われて、まっ、確かにそう言われればそうだ(笑))

 

 

昔はそういう霊的能力に憧れたこともあったけれど、
中途半端な力だと色々勘違いが多かったり苦労が多いというのを周囲を見ていて感じることが多くて、
だから(たまーに勘が冴えわたっていて「私って凄いっ!」と自画自賛することもありますが)、
一般人の領域にいる自分にホッとしている。

 

 

 

 

あっ、書きたかったことをもうひとつ。

感情は天気のようなもの・・・
これらは痛みを消化できなかった記憶だ

と精神的領域で父親が娘に語るところがあって、
そっかー、なるほどー、そう捉えるのかーって、
って今更大納得したんだけど、これは長くなるのでまたいつか。

 

 

 

 

・・・にしても面白いアニメドラマだった。

 

 

では。