セッションにあたり、ホメオパスはクライアントの主訴とともに、クライアントの心理面と精神面そして身体的外観を非常に重要視します。
偉大な医学哲学者のパラケルススは次のように述べています。
『自然』には人間がみたときにその本質を見出すためのしるしとなるような特徴が与えられていないものはひとつもない。・・・・・同様に、人間はその人の内なる性質に見合った体をもつ。ある薬草がどういうものであるかがその形態に現れるのと同じように、ある人がどのような人であるかはその症状に示される。・・・・・しるしも現れないほど秘められたものや隠されたものなどなく、すべては隠されたものの表示を発見することにかかっている。『自然』という彫刻家はきわめて芸術的なので、形態に魂を合わせるのではなく、魂に合わせて形態をつくるのである。
これは特徴表示説と呼ばれるものです。
ある植物の本質つまりスピリットは、形態、色、成長の仕方などに現れている、というものです。
ルドルフ・シュタイナーも同様のアプローチを提案し、鉱物や植物の内的形成力と、人間の身体、心理、霊性のはたらきとの間にみられる照応関係に着眼しています。
実はホメオパシーの創始者であるハーネマンは、あらゆる根拠のない非科学的憶測のもとになると主張して、特徴表示説を退けました。ハーネマンはあくまでもプルービングによる実験的方法を重視したのですが、実際問題として、ホメオパスはプルービングの結果を知ったうえで、伝統的もしくは象徴的にその物質の特徴とされている要素についての知識をそれに補って考えることが多いといえます。ハーネマンが禁じたのはあくまでも“無用な憶測”というものなのでしょう。