クリームイエローのクリスマスローズ。

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もう少しで全開。

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先祖がえり中の白色だったミニのクリスマスローズ。
たまに思い出したかのように白色の花をつける。

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薔薇の苗を強剪定した。通りがかりの年配の女性に「こ~んなに短く切っちゃっていいの?」と驚かれた。
強く剪定した方がガンガン勢いよく成長するんです。

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ミニのつるばらの支柱はこんなシンプルなもの。

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芽吹いている。今からの季節は花が咲く頃よりもワクワクする。

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去年(一昨年だったっけかな?)お隣さんに差し上げたつるバラ。『つるミミエデン』と黄色のモッコウバラ。
こちらも剪定してあげた。嫁に出した娘のことは気になるんですよ(笑)

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うちの日陰花壇のヒヤシンスも大きくなった。

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百合『トライアンフェター』も元気な芽が出ている。もうひとつの『ニンフ』の方の発芽はまだ。

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今夜はイカ団子鍋。ずーっとイカが食べたくて、今日のスーパーで1ハイ398円だった。
最近高騰していてこれでもかなり安いので買ってしまった。すった里芋を混ぜてカサ増し(笑)

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・・・と、昨夜はここで撃沈。
この時点ではブログに何書くか決めていなかった。
今日になってまだ一昨日書いたブログの「豚肉ショック」から立ち直っていなく、
「泣(鳴)き叫ぶ生き物を執拗に痛めつける人間て一体なんなんだろ、だから戦争は世界からなくならないのかな・・・」って自分の文章から『ブラッカムの爆撃機』を思い出したので、その本について書くことにした。

 

『ブラッカムの爆撃機』

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ネタバレありです。

ロバート・ウェストール
宮崎駿 編+タインマスへの旅
金原瑞人 訳
岩波書店

 

『ブラッカムの爆撃機』は、飛行機大好き宮崎駿氏が、
ウェストール作品に惚れこみ作者の故郷にまで出かけ、
その体験を漫画にしたものまで描き添え、絶版になっていた本書を岩波に復刻させたというもの。
他の2編も加えてあり、全編から駿氏の「ウェストールらぶラブらぶが伝わってくる本。

 

<あらすじ>
イギリス人のゲアリーは、爆撃機に乗る無線士。
司令部からの命令を聴いて、インターカムで仲間の乗員に伝えるのが彼の役目である。
エンジン音がうるさい機内では、乗員同士の会話もインターカムである。
ゲアリーの乗る爆撃機は、ひとくせあるが気のいい仲間6人(パイロット・射撃兵×2・ナビゲーター・機長)。
その日も700機のイギリス機が繰り出し、ドイツへの夜間爆撃を行った。
任務を終え帰途に着く途中、彼らはブラッカムの爆撃機と鉢合わせした。
ブラッカムは、無知で野蛮な隊の嫌われ者だ。
そいつらがドイツの戦闘機を撃ち落とす一部始終を、ゲアリーたちは目撃する。
ドイツ兵のパイロットが、火を噴き出した機内で燃えている。
彼の泣き叫ぶ声は、無線でインターカムに筒抜けだ。恐ろしい光景だった。
その後、ブラッカムの爆撃機に妙なことが起きた。
野卑なブラッカムが、恐怖で凍り付いたようになって帰還した。
それ以来、ブラッカム機に乗った連中が、次々死んだ。
やがて、ゲアリーたちがブラッカム機に乗る順番が来た…。
http://umi88.blog54.fc2.com/blog-entry-1560.htmlより抜粋させて頂きました)

 

「それ以来、ブラッカム機に乗った連中が、次々死んだ。」

御推察の通り、
撃ち落とされ死んだドイツ兵の幽霊が、自分を殺したブラッカムの爆撃機にとり憑く・・・という、
悲惨さと怖さがね、(実は)恐がりの私には結構半端なくて、

え~?、これ、児童文学かよ?!ってなストーリーだったんですが、

ウェストールの筆力が素晴らしくて感動の名作になっているのです。
(ここまで書いといてアレだけど、私のレビューってちょっと大雑把過ぎるね(笑))

私は平和主義者なもんでだからこういう男の子が大好き系統の戦闘モノって今迄読んだことなくて、
だから飛行機内の様子とかチンプンカンプンで、でもそれは駿氏が挿絵で説明してくれていたのが大変助かった。

 

 

内容を少々抜粋。↓

「ハイル・ヒットラー!ドイツ万歳!ドイツ万歳!」
焼けただれた鼻と口と肺から噴き出るようなドイツ兵の声と、
味方(イギリス)のブラッカム機からは連中の笑い声が混線した無線機から聞こえてくる。
「焼け死んじまえよ、ほら、焼け死んじまえ!」とブラッカムのやつらは楽しげに盛り上がってる。
無線からは自分の母親に呼びかけるドイツ兵の声が聞こえる。
「ママ、ママ・・・」
「ママ、左手がとれちゃったよ。指が操縦かんに焼きついて、もげちゃった・・・」
「目が、目が!」
ブラッカム機の連中の笑い声の伴奏つきのドイツ兵の苦悶の叫びが無線から聞こえ続け、
ついにドイツ兵の飛行機は爆発する。
死にゆくドイツ兵を口汚く罵り続けた味方のブラッカム機に対して、
主人公のゲイリーとゲイリーの仲間たちはショックを受ける。

この後、ブラッカム機はドイツ兵の幽霊にとりつかれるのだ。
どうにもこうにもドイツ兵の霊はこの飛行機から離れようとしない。
ブラッカム機に搭乗した者たちは皆おかしくなって死んでいくのだが、
この機は決して敵機に撃ち落とされることはなく毎夜ちゃんと帰還する・・・という、
最悪の守護神?死神?と化した幽霊。
悪魔祓いモドキもしたんだけれど効果がなく、
結局は、ゲイリー達はこのブラッカム機に火をつけて爆破させてしまう。

『ブラッカムの爆撃機』は、多くの戦争で死んでいった兵士達への哀悼の作品といえるかな。
戦争の悲惨さ、人間の非情さや残酷さに対し、そこには仲間や相手の兵士を思いやるあたたかな人間の情も描いている。
リアルな現実社会の善や悪とか、そういうシンプルなものを描いているのではなく、
これらは人ひとりの中に内包する世界を描いているのだとも思う。

 

この話の他に「チャス・マッギルの幽霊」という短編ものっていて、こちらも佳品。
少年が過去に生きていた脱走兵(これまた幽霊!)を救う話。
ウェストールの作品にしては珍しくすっきりとしたハッピーエンド。
読者である私たちが「あぁ、助かって良かったね」と脱走兵の生き方を肯定してあげるということは、
当時、社会からは非難の対象であっただろう苦しんでいた多くの脱走兵たちの思いを救ってあげることにつながるんだよね。

 

宮崎氏がこの本の帯に
「ウェストールの作品は、この酷い世界と戦い続ける勇気と失われたものへの愛惜に満ちていてすてきです」
と書いている心情が凄くよくわかる本です。

では。

 

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